6 兵庫の教育改革について
(1)教職員のキャリアアップについて
今、県教育委員会では、"美しい兵庫"をめざすこころ豊かな人づくりを達成するため「兵庫の教育改革プログラム」(仮称)の策定作業が大詰めを迎えているところですが、教育を改革するには、まず、教職員のキャリアアップを図らねばなりません。そして、教職員自ら教育改革の担い手として意識変革を進めるためにも、学校現場に閉じこもるのではなく時には一定期間、教職員自ら積極的に社会に飛び出し、教職員版「トライやる」とも言える社会体験を通じ、幅広い視野を身に付け新しい面からの指導力や資質の向上をはかることが必要だと考えます。
現在、県教委では、昨年5月に策定された「教職員のパワーアッププラン」に基づき、平成16年度までの3か年を実施期間として、兵庫の教育改革の担い手である教職員の資質向上に向けた取り組みが鋭意進められています。
その取り組みの一つとして、民間企業等で多様な経験を積み、豊かな見識と幅広い視野を身につけることを目的に、これまでからデパートや社会福祉施設などで教職員版の「トライやる」とも言える「長期社会体験研修(チャレンジ研修)」が実施されています。また、今年度からは、在職期間が10年目を迎えた教員を対象に、夏季、冬季等の長期休業期間中などを利用し、年間40日間の研修を義務づけられたところです。
しかし、現実に代替教職員の配置もなく、研修に参加しにくい実態があり、長期社会体験研修の参加者は年間数名から数十名程度であり、県下公立学校の教員数のわずか1%に過ぎません。また、10年経験者研修も、教員版「トライやる」とは別の観点の研修のように思われます。
例えば、オーストラリアでは「ロングリリーフサービス」と言って、教員として在職9年経過すれば、3ケ月間の有給休暇が与えられる制度があります。本県においても、社会の変化が激しい今日にあって、今後の教育活動に生かすことができる豊かな見識と幅広い視野を身につけるため、一定期間の経験年数を経た教職員全員を対象に、半年ないし1年間の自らの意思による研修制度を拡充されることを提案したいと思います。また、その際には、代替教員を配置することは言うまでもありません。
そこで、県教育委員会においては、これまでの教職員研修制度の成果と課題をどのように検証し、提案する研修制度の拡充実施をはじめとする今後の教職員のキャリアアップをどのように実践していこうとお考えなのかご所見をお伺いします。
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