6 兵庫の教育改革について
(2)家庭教育力の向上について
教育を改革するには、学校だけでなく家庭、つまり親や家族も変わらねばなりません。
例えば、こんな話があります。幼稚園の園長をしている私の友人の所に、あるお母さんが来られ、「この幼稚園では、いつになったら箸の使い方を教えてくれるのですか?」と言われたそうです。また、別の小学校の先生からは「うちの子は、ニンジンが嫌いです。食べるように指導をしてください。」とまるで文句を言わんばかりに来られたとの話を聞きました。
これらは、私たちの年代なら笑い話に過ぎませんが、今の親は、当然の権利のように学校に何でも言って来ます。親としての役割、責任はどこに行ってしまったのでしょうか。
昔から‘三つ子の魂百まで’と言います。子供が小さい時に親がきちんと善悪のけじめを教え、親の責任で躾をすることは当然のことと思います。私は、教育の原点は家庭にあると考えます。
近年、育児不安の増大や児童虐待の急増などが大きな社会問題となっています。都市化、核家族化、少子化などによる家庭環境の急速な変化などに伴い、過保護や過干渉、無責任な放任、しつけや教育に無関心な親の増加など、原点であるべき家庭における教育力は急速に低下しており、目を覆うばかりです。今こそ教育に関わる機関や行政が、地域社会や家庭に積極的にかかわって行かなければならない時期であると考えます。
県では、これまでから、“大人が変われば子どもも変わる”キャンペーンや子育て支援のための相談指導体制の充実など、教育委員会のみならず関係部局も一体となって諸施策を展開されてきました。今年度は県政の重点施策のひとつに、新たに「未来への期待」を掲げ、より積極的な施策展開を図られており、その成果を大いに期待するものでありますが、より実効性のあるものにするためには知事部局と教育委員会との緊密な連携が必要不可欠であります。
そこで、教育の原点である家庭教育について、知事部局と教育委員会においてどのように連携されているのか。また、学校と家庭の役割をどのように認識し、今後、家庭の教育力を向上させるためにどのように取り組んでいこうとお考えなのか、併せてご所見をお伺いします。
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