3 高齢者介護について
21世紀の半ばには、国民の3人に1人が65歳以上の高齢者という超高齢社会を迎えると言われている中、明るく活力ある社会づくりを進めていかなければなりません。
私は、住み慣れた住環境のもとで可能な限り住み続けたい、というのが誰もが持つ人間としての根源的な願望だと思います。本県においては、高齢者介護については「在宅重視と自立支援」という基本的な方針のもと、在宅での自立生活支援サービス中心に諸施策に積極的に取り組んでおり、わが会派としても賛意を示しているところであります。
しかしながら、高齢世帯の増加や世帯規模の縮小、就業構造の変化などにより家庭での介護機能が低下してきている現実もあります。
このことは私の体験からも実感しているところであります。私には79歳の義母がおり、難病のパーキンソンという病気と共生しながら生活しています。夜中に「背中をさすって」「寝返りをさせて」と2時間おきに起こされる毎日が続きました。また、起こされなくても気になり出し、とても寝れたものではない状態が続き、共稼ぎの私達夫婦としては、大変な毎日で、『どちらが先につぶれるか』と考え込む時もありました。加齢とともに体が弱り介護が必要となるのは、いずれ誰もが通る道で、また、子が親の面倒をみるのは当然だと頭では理解していても、体がついてこなくなっていました。
私のこのような体験は決して特殊なものでなく、多くの家庭で起こっていること、また起こりうることだと思います。また高齢者が、病院での治療を完了した退院時、直ぐに介護できる環境の整った家庭は、そんなに多くはありません。介護保険制度の導入により、特別養護老人ホームへの入所申込者数が多くなっていると言われていますが、計画的な施設整備とともに、施設への入所がすみやかにできる仕組みづくりと地域でのサポート体制を充実する必要性を痛感しました。
そこで、県では施設への入所に対しては、平成14年10月から「介護老人福祉施設・入所コーディネートマニュアル」を運用されていますが、運用から8カ月を経た今、依然として、都市部において、待機者の多い状況の中で、真に入所を必要とする人の入所状況をどのように考えられておられるか、また、在宅サービスに対しては、住み慣れた地域での暮らしが実現する介護サービスをどの様に整備し充実していこうとされていかれるのか、ご所見をお伺いします。
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