5 人にやさしいまちづくりについて
障害者や高齢者に限らず誰にとっても快適で生活しやすい環境づくりは真に豊かな社会への重要な礎だと思います。
本県では、高齢者、障害者等を含むすべての人が、ともに生活、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念のもと、平成4年10月に全国に先駆けて「福祉のまちづくり条例」が制定されました。
また、バリアフリー化に対する県民意識の高まりや技術開発の進展、「交通バリアフリー法」の制定や「福祉のまちづくり条例」の改正などにより、着実に福祉のまちづくりの理念の普及とともに誰もが住みやすいまちづくりが進展してきたと思います。
鉄道駅舎を例にとれば、1日あたりの乗降者数が5千人以上の175駅を対象に平成22年度までにバリアフリー化を進めており、平成14年度末では、126駅、達成率72%という状況は、一定の成果であり評価できるところであります。
しかし疑問に感じることもあります。バリアフリー化が進んできている一方で、兵庫県の顔であり、私の地元でもあるJR三ノ宮駅や神戸駅に未だにエレベータが設置できないのはどういうことなのでしょう。また、私は自転車が好きで、北米大陸横断や、中国の全省走破、ヨーロッパ、オセアニアなど多くの国々を回って来ましたが、外国に比べて日本の道路は自転車にとっては非常に走りにくいという実感を持っています。歩道が道路と交差する所で、ちょっとした段差があったり、歩道が急に狭くなったり、切れたりしているからです。当然、これは車椅子やベビーカーには大変な障害だと思います。私には、なぜ日本にだけあの段差が必要なのか理解に苦しみます。
バリアフリー化された個々の部分、部分の成果を、全体として統一がとれたものにしていく必要性を感じています。そこで今一度、利用者の視点にたって、駅舎、道路、建物など個々のバリアフリー化の成果を連続的・一体的なものにすることが、安心して社会参加ができる、人にやさしいまちづくりにつながるものであると思います。
バリアフリーの整備主体は、それぞれ設置者や事業者が異なるという問題はあると思いますが、県として、現状のバリアフリー化をどのように認識し、今後のバリアフリー化の連続的・一体的な整備、指導をどのように進めていかれるのか、お伺いします。
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