2 地域防災対策について
(2)地域防災力の向上について
総務省消防庁の発表では、平成13年中の119番通報から救急車が現場に到着するまでの平均所要時間は6.2分、収容平均所要時間は28.5分で、その時間は年々増加傾向にあります。
一方、呼吸停止2分間での蘇生率は90%あるものの、4分間では50%、5分間では25%、10分間ではほとんど蘇生しないと言われています。脳が重大な損傷を受け始めるのは、呼吸停止後およそ4分であり、救急車が現場に到着する6分間、呼吸停止状態でそのまま放置すれば、蘇生する可能性は極めて低いことがわかります。
神戸市では、昨年度、市内の中学校37校で総合的学習の時間を利用して「市民救命士」の講習を行うなど積極的な取り組みの結果、昨年度末で、傷病者への応急手当を学んだ「市民救命士」の有資格者が全市民の1割を超える18万3千人を数えています。
ある識者の話によると、全体の20%が資格を持てば、その効果は飛躍的に向上するとのことであります。県においても、まず教職員、警察官を含む全県職員約7万人に対し、研修の際に市民救命士の県版としての「県民救命士」の講習を取り入れては如何でしょうか。そして、その取り組みとあわせ、県民の資格取得率20%を目標に、地域防災組織のリーダー研修や学校の総合的学習の時間などを活用した県民誰もが参加出来る幅広い取り組みを期待するところです。
また、過日の新聞報道によりますと、今年8月にオープンする県災害医療センターに、医師らが重症患者の出た現場に向かい、治療しながら医療機関に運ぶ「ドクターヘリ」の導入が計画されているとのことであります。ドクターヘリは、現在、全国7県で導入され昨年1年間で約2,300回出動しており、救命率の向上に極めて高い効果があることから、本県での一日も早い運航を切望いたします。
そこで、震災の経験、教訓を後生に継承していく使命を有する本県として、全県ビジョンが目指す「創造的市民社会」の実現に向け、災害発生時にも対応しうる住民の自主救護能力の向上について、これまでの対応を踏まえ、今後、どのように取り組んでいこうとお考えなのか、ご所見をお伺いします。
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